現在から1年以上過ぎているため、過信しすぎないでください。
掲載日:2022年11月23日
更新日:2025年06月28日
赤く染まる皆既月食――それだけでも十分美しい現象ですが、今回はもうひとつのサプライズが。
なんと、月が天王星を隠す「天王星食」も同時に発生したのです!
皆既月食と天王星食のコラボが日本で同時に見られたのは、なんと1580年7月26日以来、実に442年ぶり。
まさに「数百年に一度の天体ショー」だったのです。
月は自ら光っているわけではなく、太陽の光を反射して輝いています。
その太陽の光は、地球にも影を作ります。ふだんは見えないけれど、地球の“おしり側”――つまり太陽と反対側には、光が届かない大きな影ができているのです。
月がこの地球の影に入り込むと、月の一部または全体が暗くなります。
これが「月食(げっしょく)」と呼ばれる現象です。
地球の影には2つのゾーンがあります。
完全に光が届かない「本影(ほんえい)」
一部だけ光が届く「半影(はんえい)」
月が本影に入ると、はっきりと暗くなり、赤っぽく見えることもあります。一方、半影だけに入った場合はうっすら暗くなる程度で、気づきにくいことも。
一般に「月食」と言うと、この“本影に月が入った状態”を指すことが多いんですよ!
・皆既月食(かいきげっしょく)
月がまるごと、地球の「本影(ほんえい)」という完全な影の中にすっぽり入る現象。
このとき、月は赤っぽく見えることが多く「ブラッドムーン」とも呼ばれます。
・部分月食(ぶぶんげっしょく)
月の一部だけが本影に入り、欠けたように見える月食。
皆既月食の途中でも、最初や最後に部分月食の時間があることも。
・半影月食(はんえいげっしょく)
月が「半影(はんえい)」という“薄い影”だけに入る現象。
見た目にはほとんど変化がないため、気づかない人も多い“控えめな月食”です。
皆既月食のとき、月が赤黒く見えるのはなぜでしょう?
実はこれ、太陽の光が「地球の大気」を通ることで起こる現象なんです。
太陽の光には、赤や青などさまざまな色(波長)の光が含まれています。
その中で、青い光は波長が短いために、大気中で散乱されてしまい、地球の影までは届きません。
一方、赤い光は波長が長く、散乱されにくいため、大気を通り抜けて地球の影(本影)にまで届きます。
このとき、地球の大気によってわずかに曲がった(屈折した)赤い光が、月の表面をほんのり照らすのです。
その結果、月は“血のような赤”や“赤黒い色”に見える――これが皆既月食中の月の正体。
朝日や夕日が赤く見えるのも、同じ仕組みなんです!
一眼レフを使って、初めて皆既月食の月を撮影してみました。
使用したのは EOS Kiss X9i ダブルズームキット と三脚の組み合わせ
「テレビで見るような、クレーターまでくっきり写った月」…あんな写真はさすがに無理ですが(笑)、自分なりにがんばって撮ってみました。
撮影中に一番驚いたのは、月の動きが想像以上に速いこと!
ズームレンズを最大(250mm)にすると、月がファインダーの中でどんどんズレていって、中央に配置するだけでもひと苦労でした。
撮影しているときは必死でしたが、今思えばとても楽しい体験でした。
写真はプロのようにはいきませんが、「あの日、自分の手で月をとらえた」ことが何よりの思い出です笑
使用機材
カメラ本体:Canon EOS Kiss X9i
レンズ:EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM(三脚使用)
#タグ
あなたの閲覧履歴