現在から1年以上過ぎているため、過信しすぎないでください。
掲載日:2022年12月08日
更新日:2022年12月09日
今回はインターネット時代における最も複雑でミステリアスなパズルと呼ばれているCicada3301について紹介していきます。
2012年1月、匿名画像掲示板である4chanに突如として現れた謎の画像が出現しました。
画像には以下のことが記載されていました。
「こんにちは。我々は知能レベルが極めて高い人間を探しています。我こそはという人は、この画像に隠されたメッセージを見つけ出してください。メッセージは我々にたどり着く道しるべになっています。3301」
多くの人がCicada3301の解読に乗りだしたもののほとんどが玉砕。Cicada3301を作成したのは個人なのか、組織なのかいまだにはっきり判明しておらず、Cicada3301を作成したのはFBIやCIAではないか?と噂されているほどです。
そんな中、最初に投稿されたパズルをほとんど独力で解いた唯一の人物が、スウェーデン出身のジョエル・エリクソンです。
彼がこのパズルを最後まで解くのに要した期間は約3週間。
簡単に手順をまとめてみます。
最初の暗号解読では、投稿された画像をテキストエディタで開き16進数に変換する事で以下の文字列が現れます。
「VS CLAVDIVS CAESAR says “lxxt> 33m2mqkyv2gsq3q = w] O2ntk”」
さらに CEASAR says の部分がカエサル暗号(シーザー暗号)を暗示しており、
「lxxt> 33m2mqkyv2gsq3q = w] O2ntk」
が次の暗号文となります。
この暗号文をカエサル暗号を用いて解読すると1つのURLにたどり着きます。すると、そこにはアヒルの画像とともに以下のメッセージが記されていました。
「おとりに引っかかりましたね。どうやらあなたに暗号を解読するのは不可能のようだ」
普通であれば、諦めるか最初の画像に戻って再度暗号解読をするでしょう。
「もし暗号が簡単すぎたらすぐに飽きていたかも知れません。でも暗号のトラップに引っかかったことで、ますますCicada 3301のとりこになってしまいました。」
とエリクソンさんは語っています。
メッセージを手掛かりにアヒルの画像をOutGuessと呼ばれる暗号解読プログラムにかけてみたところ、Reddit内のメッセージボードにつながるURLが出現します。
メッセージボードには数時間おきに本の暗号化された文章が投稿されており、マヤ文明で使われていた数字などが含まれていることにエリクソンさんは気がついたのです。
なんとかしてメッセージボードの文章を解読すると、また別の暗号が浮かび上がりました。
さらに解読を進めると「Agrippa」という詞に手がかりが隠されていることが示されます。
実は、Cicada 3301はErikssonさんだけではなく多くのインターネットユーザー(主に英語圏)を引きつけており、それぞれが独自の方法で解読したところ、暗号が示す解読の手がかりは、エリクソンさんが見つけたAgrippaだけではなく、なんと他の本や音楽の曲のなかにも隠されていることが発覚しました。
このころからエリクソンさんは仕事を休みフルタイムで、4chanのユーザとともに暗号解読に取り組みました。
解読に成功すると
「この番号に電話しろ。214-390-9608」
というメッセージが浮かび上がりました。
電話回線はテキサスにあり、留守番電話につながりました。
「よくここまでたどり着いた。最初の画像に含まれる3つの素数をかけ合わせた場所で待っている。その一つは3301」
実際に流れた音声がYouTubeにありました。
URL: https://youtu.be/k24ZrFR2IUQ
また最初の画像に戻ります。
こちらは高さが503px、幅が509pxになっており両方とも素数です。
503 × 509 × 3301 = 845,145,127
つまりアクセスすべきウェブサイトのURLは 845145127.com という事になります。
845145127.comでは、セミの画像とカウントダウンが表示されていました。
セミの画像をOutGuessで解読すると以下のメッセージが表示されました。
「あなたはよくここまで来たね。忍耐は美徳なり。
2012年1月9日(月)17:00に、もう一度確認するように。
3301」
カウントダウンが0になったと同時に、14カ所の座標が表示されました。
そこにはQRコードが印刷されたポスターが見つかりました。
QRコードには1つのTorアドレス(深層ウェブのアドレス)が隠されており、
「君たちはあまりに多くの情報を漏洩させてしまった。われわれが求めるのはベストの人間であって、その後を追いかけるものではない。最初の数名しか報酬は得られない」
というメッセージが表示されていました。
ここで、Cicada3301を解読する手がかりは一旦途絶えてしまいます。
カウントダウンが0になり、14都市が表示された再現サイト
URL: https://web.archive.org/web/20150624035446/http://net-netz-blog.de/845145127.htm
そしてTorアドレスが発見された数カ月後、Redditに
「我々は求めていた人間をついに見つけました。これで長い旅路は終了します。」
というCicada 3301からのメッセージが投稿され、Cicada 3301を解読する手がかりは消失したのでした。
そのメッセージを見たエリクソンさんは落胆しますが、Cicada3301から2013年1月4日に
「高度な知能をもった人間を探すことをもう一度再開します」
というメッセージが新たな画像とともに投稿されます。
エリクソンさんは
「解読するまでCicada3301には何が隠されているか全くわからないんです。2013年ももうすぐ終わり2014年を迎えます。そして、1月4日になれば、Cicada3301からまた新しい暗号が投稿されるかもしれない。次こそは解読できるかもしれません。まあ、そうは思いませんが」
と語りました。
Cicada3301の暗号解読において単独で正解に最も近づいた人物とされるジョエル・エリクソンのブログ
URL: https://clevcode.org/
結局、Cicada3301の正体はつかめず突然の終了となりました。
誰1人として、Cicada3301を最後まで解いた人が名乗り出ていないのもあり、暗号の先に何が待ち受けているのかはわかっておりません。
一説には、MI6やCIAのような情報機関で働くエージェントを見つけるためのテストではないかとも言われていますが、真相は未だに闇に包まれています。
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